前立腺肥大症とは、排尿障害や蓄尿障害、排尿後症状が起こる病気です。
前立腺肥大症による排尿障害とは尿が出にくいなど尿を出すことに関連した症状を差し、蓄尿障害とはトレイが近い(頻尿)、尿が漏れてしまう(尿失禁)などを指します。排尿後症状とは排尿したにも関わらず、尿が残っているような感覚(残尿感)があることを指します。
そもそも前立腺とはどこにあり、何をするものなのか?正確にはご存知ない方も大勢いらっしゃるかと思います。
前立腺とは、膀胱のすぐ下にある臓器でクルミ大くらいの大きさです。その中を尿道が通っています。前立腺には前立腺液という精液を構成する成分のひとつを尿道に分泌する役割があり、この液は精子に栄養を与えたり、精子を運ぶ役目をしています。
この前立腺は加齢と共に徐々に生殖機能を必要としてこなくなるため萎縮していくものなのですが、近年はこれは萎縮ではなく肥大化していく傾向にあるのです。
前立腺が肥大する直接の原因は未だにはっきりとはわかっていません。しかし、原因のひとつに男性ホルモンの働きが関係していることは間違いなく、男性ホルモンの変化の起こりで前立腺が肥大する、と考えられています。また、高齢になっていくほど発症する人が多くなっていることから年齢も何らかの影響を及ぼしていると言われています。
前立腺肥大症の説明が少々長くなってしまいましたが、話をEDとの関係に戻しましょう。
前立腺肥大症に伴う排尿障害・蓄尿障害・排尿後症状。これらの症状を下部尿路症状と言いますが、実はこの下部尿路症状はEDのリスクを高めることがわかっています。
欧米7ヵ国の1万人を対象に調査したところ、下部尿路症状がEDを引き起こす危険度はなんと糖尿病の約二倍の数値でした。
下部尿路症状は前立腺肥大症だけではなく、頻尿症や過活動膀胱にも見られる症状です。前立腺肥大症患者のおよそ5割から7割の方は過活動膀胱を合併していると言われています。
しかし、下部尿路障害の原因のひとつでもある前立腺肥大症を治療すればEDが改善することがわかっていますので、「もう年だから」「病気だから仕方ない」とあきらめる必要はありません。
以下は余談になりますが、実は現在前立腺肥大症の治療薬として認可・発売されているザルティア錠、これは実はED治療薬であるシアリスとまったく同じ薬なのです。
成分はもちろんシアリスと同じタダラフィル、製造・販売している会社も同じ同一の医薬品です。
では何が違うのかというと、ザルティア錠は“前立腺肥大症の排尿障害を治療する薬として認可”されおり“前立腺肥大症の患者には保険診療での処方が可能”な薬である、という点です。
ザルティア錠が認可されたのは2014年とまだ最近の話であり、タダラフィルを成分としたザルディア錠が保険適応になることで世間は大変賑わいました。「ED治療薬が前立腺肥大症の治療薬になる」だとか「シアリスが前立腺肥大症の保険適用薬に」だとか、世間が騒げば騒いだだけ患者様の勘違いに拍車をかけてしまっています。
実際ED患者の方にはよく誤解されがちで「保険が効くならザルティア錠として処方して欲しい」「シアリスが保険適用になったのでは?」という方もいらっしゃいます。
ここで理解しておいて頂きたいのは、ザルティア錠は前立腺肥大症治療薬、シアリスはED治療薬、という適応症の違いがあることです。
ザルティア錠が認可されているのは、“前立腺肥大症の排尿障害を治療する”という目的での診療に限られます。よって、前立腺肥大症と診断されない限り、ザルティア錠が保険診療で処方されることはありません。
ザルティア錠とシアリスは名前が違う同じ薬ですが、適応症が違うので“ED治療薬であるシアリス”が保険診療のもと処方されることは今後もありません。
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